早期経営改善計画

経営を行うにあたって、経営計画を立てるのは必須事項と言えます。

しかし、会社経営というものは必ずしも計画通りにいくわけではなく、外的・内的要因によって当初計画とズレが生じてしまうことはよくあることです。

そのような時に修正計画を随時立てられていれば良いのですが、実際は目の前の仕事に忙殺されて、腰を落ち着けて計画を練り直すことのないまま事業が進んでしまっているケースが多くの企業で見受けられます。

その一方で中小企業庁の支援の下、「早期経営改善計画」を策定しようという動きが広まってきています。

この記事では、早期経営改善計画の必要性や、メリットについて解説します。

なぜ早期経営画改善計画が求められているか~通常の経営改善計画が抱える問題点~

それでは、なぜ「早期」に経営改善計画を立てないといけないのでしょうか。通常の経営改善計画が作成される過程で出てくる問題点を元に解説します。

通常の経営改善計画は経営が苦しくなってから作成されることが多い

経営改善計画を作成しようとするのは、多くの場合は経営の悪化により資金を手当てする必要が出てきた場合です。

金融機関に融資の相談で伺うと、融資の判断をするために経営改善計画書を求められるケースがあります。

会社の資金がまだ十分にあるときにはそこまでせずに簡易的な審査での融資も可能なケースがありますが、1年や半年で資金が枯渇してしまうようなケースでは、銀行側も回収が見込めない融資をするわけにはいかないので、経営改善計画を要求してきます。

資金力が少なくなるほど長期的なビジョンが描きにくくなる

経営改善計画では、現状を分析して改善策を計画書に盛り込む必要があります。資金に余裕があるときであれば長期的な展望を元に機械の導入やビジネスモデルの変革などを盛り込むことができるのですが、資金が不足していると、長期的な計画に加えて短期的かつ具体的な手段も加える必要が出てきます。

回収不能になるリスクを抱えたままではどれだけ夢を語っても融資はできない、というのが金融機関の基本的なスタンスです。

そうなってくると営業ノルマの引き上げや人員削減など、本来やるべきではない施策に注力することになり、企業のブランド力の低下や人材の離脱などを招く遠因となります。

金融機関が融資を認可するまでは時間がかかる

経営改善計画は作成に時間がかかります。そして、計画を提出してから今度は金融機関が融資のための審査を行うのですが、これがまた時間がかかります。付き合いのある金融機関同士での調整なども含めると最初の相談から融資までに半年以上かかったりする可能性もあります。

それでもなお満額回答になるかどうかわからないので、その間大変なストレスにさらされます。

このように、資金が少なくなってきてからの経営改善計画は「長期的なビジョンが描きにくい」「融資実行まで時間がかかる可能性がある」といった問題点を抱えています。

この問題点は早期に計画を立てていれば発生しにくくなるので、資金にまだ余裕がある間に早期経営改善計画を立てることが重要とされています。

早期経営改善計画を策定する3つのメリット

それでは、早期経営改善計画を作成すると、具体的にどのようなメリットが出てくるのでしょうか。3点に分けて解説します。

経営で発生している課題を明確にできる

経営者であれば、経営において何が問題になっているかということに関しては日頃から注意しているかと思われます。

しかし、SWOT分析のようなフレームワークを利用して考えを整理するという作業を改めて行うことで、「何となく」で把握していた問題点や、新たな戦略などへの気づきを導き出すことができるようになります。

資金需要の見通しが把握できる

経営計画において資金繰りは非常に重要なポジションを占めています。過去のデータから売上予測を洗い出すことで、今の状態で何年持つのか、市場の変化で需要が減少したときにどこまで耐えられるのかといった状況を高い精度で把握することが可能になります。

金融機関に対して早めにアクションをかけておくことで、いざというときの対応に応じてもらいやすくすることができる

自社の戦略、問題点の明確化と資金需要の予測がある程度できている計画を策定し、金融機関に前もって提出しておくと、いざ資金が不足してきだしたときに、経営改善計画からの進捗報告を行うことで金融機関の理解を得られやすくなります。

金融機関からの融資が早期に決着できれば無理な短期戦略に頼ることなく、中長期的な計画で経営を進めることが可能です。

以上3つのメリットについて解説しましたが、資金の不足→短期的な戦略→経営の悪化という負のスパイラルを未然に防ぐというのが早期経営改善計画の役目と言えるかもしれません。

早期経営改善計画を作成するにはどうすればよいか

では、実際に早期経営改善計画を作成するにはどうすれば良いかという点についても見ていきましょう。

まずは専門家に連絡を

病気になったら医者に行くのと同じで、改善計画を立てようと思った際にはまず専門家に連絡を取って指導を受けるのが一番です。

相談は、各都道府県の経営改善支援センターや税理士、コンサルタントなど、中小企業庁から認定された機関がありますので、認定機関にまず連絡を取るという流れになります。

実際に専門家の支援を受けて策定するとなると費用も掛かりますが、その点に関しては中小企業庁補助金である程度まではカバー可能です。

参考URL: 【中小企業庁】資金繰り管理や採算管理等の早期の経営改善を支援します

経営改善計画に必要な4つの内容について考えておく

専門家に相談したとしても、実際に作成するのは自社を一番知っている経営者の仕事です。

実際に作成するのにどのような内容が必要かということは事前に考えておいた方がスムーズに作成できます。

1、自社分析

自社の強み、弱みや業界の動向、ビジネスモデルなどを図式化し、企業の方向性を示す必要があります。

2、資金計画

過去の資金繰り実績などを元に、これからの資金繰りがどのようになるのかということについて計画を立てる必要があります。

この資金計画は状況によっては悲観的な予測に基づいたものも同時に作成することがあります。

3、実行計画(アクションプラン)

自社の問題点を解決するために、具体的にどのように動くかということを計画として書き出します。

実行計画を作成する際には、各項目に関して実行責任者と完了時期などを明記します。そうすることで金融機関を含めた第三者からみて計画通りに進んでいるかどうかが判断しやすくなります。

4、損益計画

多くの場合、3か年(当年含む)の損益数値の計画を立てて記載します。一定の会計知識が必要になるので、ここに関しては専門家の助力を仰いだ方が無難です。

経営改善計画の作成は実際に取り組むと大変ではありますが、経営に詰まってからの計画の作成はこの比ではないぐらい大変になりますので、転ばぬ先の杖と思って頑張りましょう。

最後に

最後に一点、早期経営改善計画を作成するうえで注意していただきたいことがあるのですが、くれぐれも「とりあえず金融機関に見せるために計画を作成する」とならないようにしてください。

金融機関に正式に提出した経営改善計画書は約束事として捉えられるので、何の事情もなく内容を勝手に変更することはできません。適当な内容にしておくと、後々融資の審査をする際に計画書と現状の整合性について厳しい質問や意見をもらうことがあります。

逆に、きちんと説明できる理由がある場合は問題ありません。早期経営改善計画の目的はあくまで企業を安定して経営するためですから、それだけ忘れないように取り組んでください。

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