事業承継補助金

事業承継補助金ご存知ですか。補助対象費用の範囲が広い事、採択率が高めであることから注目の高まっている補助金です。令和元年度(平成30年度補正予算)の公募、採択企業の発表もすでに終わっていますが、来年度も要チェックの補助金です。

この記事では、事業承継補助金の概要と採択されるための申請書づくりのポイントをご紹介します。

1.気になる!採択率の推移は?

事業承継補助金に限らず、補助金の申請で気になるのは採択率。補助金の採択率は、予算額と補助金の申請件数で決まります。例えば、昨年のIT導入補助金や今年の小規模事業者持続化補助金では、予算が潤沢なこともあって90%を超える採択率となっています。

事業承継補助金の平成28年補正予算と平成29年補正予算を比較すると、予算額(採択件数)に変化はありません。しかし、補助金自体の認知度がアップしたため、申請件数が増加し、結果として採択率は減少しています。

令和元年度の補正予算の規模は現段階では不明です。年末から年明けに編成される補正予算を注視する必要があります。

2.事業承継補助金の徹底解説

今後急激な人口減少が進む日本社会。特に、地方での経済活力が衰退していくことは目に見えています。事業承継補助金は、このような社会的課題を解決するため、新商品や市場開拓に取り組む後継者に対して、その取り組みに必要な経費の一部を補助する制度です。

  • 事業の目的

後継者不在による中小企業の廃業は、日本の経済活力を損なう重要な問題です。事業承継補助金は、①経営者の交代など業引継ぎを促進すること②経営革新等に取り組む承継者を支援することを目的としています。意欲ある後継者に、地域の経済活性化が期待されています。

  • 申請者の要件

主な要件は次の通りです。

  • 中小企業基本法第2条に準じて定義された中小企業者等に該当すること

*詳細につきましては、「事業承継補助金HP 補助対象者」をご確認ください。

  • 2016年4月1日から2019年12月31日までに、経営者交代や第三者承継等事業承継が行われた(行う予定である)こと
    • 地域経済に貢献している中小企業者等であること
    • 承継者が、新商品の開発など経営革新に取り組むこと
    • 承継者が経営経験、同業種での実務経験、創業・承継の研修のいずれかがあること
    • 経営革新等支援機関による確認と支援が受けられること

*経営革新等支援機関とは、中小企業などの経営改善に向け、専門的な知見、実務経験などを元に、国が認定する公的な支援機関です。商工会や商工会議所などのほか、金融機関、税理士、公認会計士、弁護士等が主な経営革新等支援機関として認定されています。近くにある経営革新等支援機関は、こちらから確認することができます。

  • 事業承継の型

事業承継補助金は、基本的には、【I型】後継者承継支援型と【Ⅱ型】事業再編・事業統合支援型の2つの申請類型があります。基本的には、【I型】後継者承継支援型は親族や従業員の承継、【Ⅱ型】事業再編・事業統合支援型はM&Aなど第三者承継です。

【Ⅰ型】【Ⅱ型】によって申請要件、補助率や補助上限額が異なります。平成30年補正予算では、11の申請類型がありとても複雑になっています。認定経営革新等支援機関のアドバイスを受けて、どの申請類型で申請できるかをフローチャートで確認する必要があります。

【出典】平成30年度二次補正予算 事業承継補助金

  • 補助上限額・下限額、補助率

事業承継補助金は、申請類型により補助率などが異なる特徴があります。申請類型を考慮して投資・費用計画を作成する必要があります。

  • 【I型】後継者承継支援型

事業者の規模でことなります。

(小規模事業者)

補助上限額200万円、補助率2/3

(小規模事業者以外)

が補助上限額150万円、補助率1/2

②【Ⅱ型】事業再編・事業統合支援型

他の補助金で見られない特徴があります。審査結果で補助金額や補助率が変わってきます。審査結果が上位であれば、補助上限額や補助率が優遇されています。申請時点で計画した投資・経費計画が採択結果によって左右されます。

平成30年補正予算では、実績が採択金額を下回る場合は、再申請や事務局の承認を必要としませんでした。

【出典】平成30年度二次補正予算 事業承継補助金

  • 補助対象経費

他の経産省関連の補助金では対象とされない費用も補助対象となっていることが特徴です。例えば、補助事業に取り組む社員の人件費やエアコンなどの汎用品(設備)も一定の要件を満たせば、補助対象経費となります。

尚、交付決定日以前に発注(契約)している経費は、他の補助金と同じように、原則、補助の対象となりませんので、注意が必要です。

  • 申請上の留意点
    • 申請期間

今回の募集は2回ありました。一次募集は、約1ケ月半(4月12日~5月31日)の余裕がありましたが、二次公募では、約3週間(7月5日~年7月26日)と非常にタイトなスケジュールでした。

経営革新等支援機関によっては、事前確認を早めに締め切る場合もありますので、早め早めの対応を心がけましょう。

  • 経営革新等支援機関と連携

申請するからにはなんとか採択されたいですよね。そのためには、経営革新等支援機関のサポートは必須です。経営革新等支援機関は、申請類型など申請要件の形式チェック、数値計画を含む事業計画書のブラシュアップなどを支援します。

商工会・商工会議所などは無料で利用できますが、その分サポートなどは薄くなりがちです。民間コンサルタントなどは有料となりますが、手厚いサポートが期待できます。締切日の迫った段階での依頼とならないよう、認定支援機関の選択も含め早めに準備することをお勧めします。

  • WEB申請

令和元年度から紙ベースでの申請ではなく、WEB上の申請になりました。ものづくり補助金などもWEB申請になりましたので、今後、補助金を申請するときは、一定のITスキルが求められます。

今回の事業承継補助金では、書類のPDF化、アップ、図表の貼り付けなどのスキルが必要でした。

3.採択される申請書作成のポイント

前述しましたが、事業承継補助金の認知度が高まったこともあって、平成30年補正予算では採択率が前年より低くなっています。予算額が増えないとすると、来年度はより厳しい協商になることが予想されます。そのため、「採択される申請書」の作成が求められます。

  • 審査基準を知る

一番重要なことは、「求められていること」をきちんと織り込むことです。事業承継補助金に限らず、補助金は、「審査基準(審査の着眼点)」が公開されています。この審査基準を読み込んで、申請書を作成することがポイントになります。申請書案ができたら、社内や経営革新等支援機関などに審査基準を満たしているか確認してもらうことが大切です。

今年度の二次募集では、事業承継補助金では、公募要領の20頁に「審査の着眼点」が記載されています。(下記、ご参照願います)

例えば(4)。補助事業が上手くいかないような場合にどのような対策をとるのかの着眼点が示されています。申請書にリスクと対応策の記載が無いとこの着眼点では点数がもらえないことになります。

  • 解りやすく読みやすい申請書を心がける

審査では、資格審査(申請要件の形式チェック)と外部専門家による書面審査が行われます。外部専門家とは、中小企業診断士などの公的な資格を有し、中小企業の経営改善に係る知識と経験のある人で構成されます。最終的には、事務局を中心とした審査会で決定されますが、まずは、外部専門家の審査で合格点をもらうことが重要です。

極端に短い申請書だったり、取りとめのない長いだけの申請書だったりすると、審査員は読む気になれません。そのため、「読んでもらえる申請書」を心がけることがとても大切です。

(読む気になってもらえる申請書のポイント)

・抽象的で難解な表現よりも具体的で平易な表現

・一文一意(接続詞で文章をつなげすぎない)

・「ですます」調と「である」調の混在はさける

・専門用語は注釈を入れる

・フォントの統一

・下線付きや太字でキーワードを強調

・段落番号、箇条書きなどの活用

・図や表を活用する

  • 加点要素は外さない

採択されるためには、加点要素は外せません。加点要素とは、一定の条件にあてはまると書面審査の点数に上乗せされる要素です。二次公募では、公募要領の20頁から21頁に加点についても記載されています。自社が度の加点要素に該当するのかきちんと確認して、もれなく申請書に記載するようにしましょう。

4.まとめ

後継者が、会社をきちんと引継ぎ、事業を改善・成長させるためには事業計画の作成は必要です。補助金を貰えるも貰えないに関わらず、事業計画なしでは事業承継は成功しません。

事業承継補助金を申請するのはあくまでも手段です。補助金申請を機に、後継者として腹落ちする事業計画の作成に取り組みましょう。

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