経営力向上計画とは?メリット・申請方法を解説

中小企業等経営強化法の施行から3年以上となりました。認定件数も94,394件※となり、多くの中小企業が支援を享受しています。

条件に該当すれば、受けられる各種支援によるメリットも大きいものですが、適用条件とのズレがある場合、小規模の投資の場合や外部へ申請支援の依頼が高額になる様な場合には、必ずしもメリットを十分享受できないことがあります。

申請を考えている企業の方はぜひ、概要、手続きや注意点を把握してから取り組み、申請するかの判断、申請する際の手続きをスムーズに進めてください。

           (※令和元年9月30日現在。中小企業庁資料)

経営力向上計画とは

「経営力向上計画」の認定は、もともと平成11年3月に定められた「中小企業等経営強化法」(以下、「法」)に基づく中小企業支援施策で、平成28年7月1日に施行されました。

中小企業者等は、生産性やマネジメントの向上、経営力向上のための内容を含んだ「経営力向上計画」を策定し、事業を所管する大臣に認定されることで税制特例や金融支援、法的支援を受けることができるようになります。

「経営力強化法」とは

法は日本における労働人口の減少、国際的な企業間競争の活発化などの変化に対して中小企業の経営強化を図ることを趣旨としています。

施行に際してはそれぞれの中小企業の事業を所管する「事業所管大臣」が指針を策定し、そのための取組を支援する措置を講じることになっています。

経営力向上計画と申請プロセスの概要

生産性向や経営力強化のための設備投資、中小企業同士での事業譲渡での不動産承継を含んだ事業承継等での法的支援や特例の適用を望む中小企業等は、まず制度の概要や要件を確認したうえで「経営力向上計画」を作成、申請して認定を受けます。

対象となる設備の種類や金額等によって、事前に工業会等の証明書を取得が必要となる場合があります。

この認定を受けると次に挙げる各種支援(≒メリット)を受けることができる仕組みになっています。

経営力向上計画の認定を受けるメリット

経営力向上計画の認定を受けると、制度が定める以下のような支援(≒メリット)を受けることができます。

税制措置

中小企業経営強化税制

指定期間(平成29年4月1日~令和3年3月31日)内に、生産性向上のための設備や収益力強化のための一定の設備投資をして指定事業(広範に定められています)の用に供した場合の 税制措置(全額即時償却や取得額の7~10%の控除

事業承継等に係る登録免許 税・不動産取得税の特例

やはり期間内(この場合は平成30年7月から令和2年3月31日)に合併や会社分割、事業譲渡で他の企業から不動産を含む事業用資産等を取得する場合に、登録免許税、不動産取得税の軽減

金融支援

企業規模や状況に応じて

  1. 日本政策金融公庫の低利融資
  2. 商工中金の低利融資
  3. 信用保証協会の通常の信用保証とは別枠での追加保障
  4. 中小企業投資育成株式会社の投資を受けれる資本金枠(通常3億円以下)の特例
  5. 日本政策金融公庫からの海外での融資
  6. 中小企業基盤整備機構による債務保証
  7. 食品流通構造改善促進機構による債務保証

が受けれることになります。

法的支援

  1. 合併、会社分割、事業譲渡時の許認可承継の特例(旅館業、建設業等)
  2. 事業協同組合等の設立時の発起人数の特例(最低4人を3人に)
  3. 事業譲渡の際の免責的債務引き受けの特例(同意がなくても通知で可能に)     

これらの詳細については中小企業庁の「税制措置・金融支援活用の手引き」に解りやすくまとめられています。  

経営力向上計画申請の流れ

それでは、具体的な申請の流れを見てみましょう。

申請準備

まずは申請の準備を行います。求められている申請書類、実際の経営力向上計画の記載内容はそれほど煩雑なものではありませんが、むしろ様々な条件との事前確認が重要です。

該当条件の確認

いろいろとメリットのある経営力向上計画の認定ですが、各種の条件があります。

主なものを挙げると

中小企業者等としての規模

法の第2条に資本金の額や従業員数などが定められてるほか、受けようとする支援ごとにも企業規模の条件が定められています。

事業毎に定められる指針に沿う計画であること

それぞれの事業分野の指針が「事業管掌大臣が定める」となっており、事業分野は広くカバーされていますが、求められる内容・条件が事業毎に異なっており、確認が必要です。

支援対象の設備や不動産であること

一定の設備として「160万円以上の機械装置」「30万円以上の工具」といった形で定められていますので、設備投資対象や取得不動産が支援対象であることを確認します。

中小企業庁のホームページ掲載のQ&Aを参照するほか、第1章の末尾でも紹介した「手引き」には各経済産業局の問い合わせ先も記載されています。不明な点があれば必ず確認しておきましょう。

対象期間内に行うものであること

支援の内容ごとに異なる期間が定められています。今回受けようとする計画が期間内に行うものであることを確認します。

この他にも細かな条件が設けられているので、手続きや作業が無駄にならないように、事前に十分なチェックが必要となります。

計画案の作成

予定する設備投資等が制度の要件に合致しているようであれば経営力向上計画の案を作成します。申請書の入手と作成については次項でご説明していますが、申請書は中小企業庁のホームページから無料でダウンロードできますので、先にダウンロードして内容を確認しながら作成すると良いでしょう。

申請書の入手と作成

ではいよいよ申請書の入手と作成に入ります。

必要書類

申請書そのものは、表紙となる「申請書」1枚と、別紙扱いとなる「経営力向上計画」(基本的には3枚。記述量で伸びることも)の二つから構成されます。

この他にも実際の申請時には、チェックシートと返信用封筒、さらに都道府県に提出する場合には、都道府県控用の「写し」、(都道府県を経由しての)省庁当ての「転送用封筒」も必要になります。

また設備投資についての税制支援を受ける場合の申請には「A類型」と「B類型」があります。違いは事前に計画内容について工業会等の「証明書」を取得するか否かになります。一般に数日から2か月程度かかるそうですので一見、その必要のないB類型の方が簡単そうに見えますが、結局は主管する地域の経済産業局の審査を受ける事になり、手間や時間はほぼ同様となります。申請の概要や基本的な様式は中小企業庁の「工業会等による証明書について」で確認できます。取得のための手引きなども用意されています。

「A類型」を選択した場合には、工業会等による証明書も添付することになります。

「B類型」を選択した場合には、投資計画の確認申請書(写し)と、経済産業局の確認書(写し)が必要になります。

また事業承継等についての支援措置を受ける場合には、事業承継等に係る契約書(又はそのドラフト)、 事業承継等に係る誓約書、被承継者が特定許認可等を受けていることを証する書面が必要となります。

これらの点もやはり中小企業庁の「経営力向上計画策定の手引き」に解りやすくまとめてありますのでそちらもご参考ください。

申請書類の入手

申請書とチェックシートは中小企業庁の「申請書様式類」からダウンロードできます。

それぞれ参照用のPDFと、記入用のワード/エクセルファイルが用意されています。

記載事項の記入(計画書の作成)

①企業の概要、②現状認識、③経営力向上の目標及び経営力向上による経営の向上の程

度を示す指標、④経営力向上の内容、(事業承継等を行う場合は⑤事業承継等の時期及び内容)で、先に述べたように用紙3枚程度に収まるものです。

提出

提出先は「会社の事業を所管する大臣」となりますが、実際には業種と地域によって細かく指定されています。具体的にはやはり中小企業庁ホームページにある「事業分野と提出先」のエクセルファイルで検索することになりますが、不明な点がある場合はエクセルの最上部に記載の中小企業庁の「経営力向上計画 相談窓口」に問い合わせることが出来ます。

提出時には、申請書、別紙となる経営力向上計画、チェックリストの他、工業会の証明書、提出先によって異なる控えや封筒類も添えて提出となります。

専門家に依頼する手もある

人的なリソースに余裕がない中小企業に配慮して、比較的簡素な手続きで申請が可能な「経営強化法」に基づく各種支援ですが、中諸企業庁ではさらに「経営革新等支援機関」認定制度を作り、人手やノウハウが不足している企業が計画策定等の支援を受けられる専門知識と実務経験を持つ税理士、公認会計士、弁護士などを認定して公開しています。

申請書類はシンプルなものの、業種や企業規模、対象資産等の要件の判断も細かいものがあり、初めてでは非常に難しく感じられる面もあります。社内では対応が難しい場合には、これらの支援機関に頼ってみるのも一つの選択肢です。

(中小企業庁ホームページの「認定経営革新等支援機関による支援のご案内」からご覧いただけます。)

認定支援機関には、

 ①経営状況の把握(財務分析、経営課題の抽出)

 ②事業計画作成(計画策定に向けた支援・助言)

 ③事業計画実行(事業計画の実態に必要な支援・助言)

等、幅広い業務をお願いすることができます。

「認定機関」は2か月に一度、偶数月の末に、前回以降追加されたものが公表されるのが定例となっており、2019年10月31日の時点で34,557機関が認定されています。認定機関の一覧はこちら(中小企業庁のホームページ)からご覧いただけます。自社の業種業態の置かれている事業や状況に詳しく、十分にコミュニケーションの取れる地理的にも遠くない認定支援事業者を選ぶとよいでしょう。

まとめ

いかがでしたか?条件に合えば公的な支援をうけられる経営力向上計画。生産性や経営力の向上のための設備投資、不動産取得を伴う事業承継を検討中の中小企業の方は見逃せませんね。

必要な書類とその記載内容は限られていて、計画策定の支援の道も作られています。まずは制度と手続きの概要と受けられる支援の内容を知って、是非メリットを享受してください。

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